洋白という文字は日本語の辞書にはなく、正式には"洋銀""ニッケルシルバー""ジャーマンシルバー"と言いますが、業界や材料メーカー等も通常"洋白"と呼んでいます。銅、ニッケル、亜鉛の合金です。美麗な銀白色光沢、優れた加工性、耐食性を有します。また比重が大きく、感触が純銀に似ています。代表的な洋白材は、銅62%、ニッケル14%、亜鉛24%です。食器に使用する場合、これに銀メッキを施します。殆ど純銀製品と見分けが付きません。
◇純銀製品と同じくらい品格があり、温かみのある製品になります。
◇銅が主成分の為、柔らかく、成形に自在性があり、細かい装飾も含めてデザインを強調することができます。
◇楽器に使われるほどで、食器、器物を取り扱うときに触れ合って出る音の響きは、快適かつ重厚あります。
◇手触り、口触りも良く、重量感があります。
銀の持つ独特の色調は古来より尊ばれ、金とならんで装飾品全般に使用されてきました。今日でも装身具、金属食器、喫煙具、メダル、楽器等に銀メッキが活用されています。フルート等の管楽器に銀メッキを施すと音色が良くなることや、金属食器に銀メッキをすることで水分中の微生物が殺菌され、衛生上きわめて好ましいことなど、銀メッキの目に見えない利点は案外一般の人には知られていません。反面、銀メッキの弱点は大気中の硫化物によって褐色に変色することがあります
保管時に布団圧縮シートの要領で大きなビニール袋に入れて掃除機で中の空気を抜けば、ある程度変色防止に役立ちます。その際、乾燥剤を入れればより一層効果があります。
基本的にはほとんどの物は修理可能です。ポットのへこみ、ハンドルの取れ、淵巻の取れ等もある程度修理することができます。ただし、ナイフ等ホーローハンドルに深いキズがつき、小さい穴があいたようなものや、非常に深いキズや穴がある物はできません。又、デザインの模様が細かい物は、研磨の時に模様がなくなったりしますので、修理には限度があります。
なるべく変色させない方法と容易に変色を取り除く方法は次のとおりです。
◇使用後はできるだけ早く洗浄する。洗浄せず一晩中放置しておくことなどは禁物です。
◇良く洗浄し、良く乾燥すること。必要に応じて拭き取り乾燥を行う。水滴が残ったままだと、そのままシミになり跡が残ることがあります。
◇保管に際しては、なるべく空気と触れないようにする。またレンジの近く等空気の汚れているところは避けるようにする。長期間の保管は、ビニールの袋等にいれ、中の空気を抜くことも効果的です。
◇銀磨き剤を使用して、手作業にて拭き取る方法。
確実にきれいにすることはできますが、ひじょうに労力を必要とします。また、模様の中などは除去しにくくなります。
◇浸漬するだけで変色除去ができる洗剤を使用。
非常に良く取れますが、液温度や浸漬時間等の管理が必要となります。なかにはその管理を間違うと、逆に銀にダメージを与える場合もあります。