銅製の鍋の特徴

◇内側にほとんどの場合、錫引き、錫メッキもしくはまれにニッケルメッキが施してあります。
◇銅は非常に熱伝導性が良いため、煮込み料理等に大変適しています。また、錫は料理の味をまろやかにし、銅鍋で野菜などを茹でると非常に色あざやかに仕上がります。
◇錫は非常に軟らかい金属です。従って、使用後金属たわし等で無理にこすると錫が削れて、寿命が短くなります。
◇錫は融点(融け出す温度)が、240度と金属の中ではかなり低いので、空だきをすると錫が融け出してしまいます。使用前に鍋を熱するときは、野菜くずを入れたりしてできるだけ空だきをしないようにしてください。
◇銅鍋はステンレスやアルミと違って熱の対流が鍋の中で循環し、料理材料の持つ旨味を平均に行き渡らせ、料理の具を崩さずまろやかに美味しく仕上げてくれます。
◇銅は微量金属作用(銅イオン作用)と云う強い殺菌力があります。昔から"銅壺の水は腐らない"と云われているのはこのためです。
◇銅製品に発生する緑青は有害との古い常識がありましたが、昭和59年厚生省の研究により緑青は無害と発表され、現在は無害が定説となっております。


修理

◇修理は可能です。錫が取れて銅が露出したときは修理してください。こびりついた汚れも洗浄および研磨で落とします。


銅玉子焼きの使用方法

◇初めてのご使用の前に中性洗剤で洗ってください。
◇ご使用になるとき、鍋を少し温めて食用油を何回か引いて鍋に油を充分なじませてください。
◇空だきは絶対にしないでください。強い火や空だきは鍋を早く傷めます。弱い火でゆっくり焼いてください。
◇ご使用後内部はティッシュペーパーで拭き取るだけで良く、外面は油の残滓を良くとってください。
◇調理したものを永く鍋の中に保存しないでください。銅は塩分、酸気に敏感で調理したものを永く入れておくと緑青が発生する恐れがあります。


銅鍋類の使用方法

◇普段のお手入れは、中性洗剤をスポンジにつけて洗い、水気を拭きとってください。お手入れが不十分だと白い粉状のものが付着してきますが、水道中の微量成分(カルキ)が固まったもので、衛生的には無害で問題ありません。
◇焦げつきなどを落とす場合はナイフ等を使用しないでください。熱湯に浸して焦げつきを柔らかくしてから取り除いてください。
◇調理後は内容物を保存しないでください。緑青の発生原因となります。遅くとも食事後には別の容器に移してください。
◇外面が変色した場合はナイロンタワシで変色層が落ちるまで磨いてください。
◇塩分や酸等を含んだ汚れを付着したまま放置したり、湿気の多い場所での保管は緑青発生の原因になります。
◇緑青が発生した場合は、酢と同量の塩を混ぜた溶液を布につけてこすり落としてください。その後は中性洗剤で洗い、すすいで水気を拭き取ってください。
◇内面は、スチールタワシやみがき粉を使用しないでください。



●平成20年8月11日に厚生省食品衛生法改正に付いてのQ&AQ22とQ23
銅製品のメッキに関する部分抜粋

(4)銅製又は銅合金製の食品用器具及び容器
Q22 器具及び容器包装の製造基準には、銅製又は銅合金製の器具及び容器包装は、その食品と接触する部分を全面スズメッキ又は銀メッキその他衛生上の危害を生ずるおそれのない処理を施さなければならないと規定されているが、例えば、銅板、たこ焼き器、今川焼き器等のように高温で使用することによりメッキがはがれるおそれのあるものは、どのようにすればよいか。
A22 製造基準のただし書きでは、固有の光沢を有し、かつ、さびを有しないものは、スズメッキ、銀メッキ等を施さなくても良いこととなっており、これらのものにスズメッキ、銀メッキ等を施す必要はない。むしろ、これら高温で使用することによりメッキがはがれるおそれのあるものにスズメッキを施すと、それらがはがれて食品に混入するおそれがある。そのため、こうした製品にはスズメッキを施さないことが望ましい。


Q23 メッキ等が施されていない銅製又は銅合金製の器具又は容器包装は、どのような点に注意して販売すればよいか。
A23 銅製品については、まれに吐き気、嘔吐、下痢等の食中毒が報告されている。その理由として、内面の損傷等がある銅製器具を用いて、スープストック、焼きそば等の食品を長時間保存したり、または洗浄後の水切りが不十分で水が溜まっていたものをそのまま使用するなどにより、大量の銅イオンが食品へ移行し発症したものと推定されている。(注)
こうしたことから、メッキ等の処理を施していない銅製又は銅合金製の器具又は容器包装の製造業者及び輸入業者は、① 銅製品に接触させて食品を長時間保存しないこと、ソースなど酸性食品を使用する場合には特に注意すること、② 使用後は洗浄して良く乾燥させること等、銅製品の特性を踏まえた正しい使用方法について情報提供をすることが望ましい。

(注)東京衛研年報, 52, 159-162, 2001 / 53, 144-148, 2002


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